福島応援

福島応援
みんなで集まってにっこりわらって

2014年11月11日火曜日

2014年11月11日チラシ④

~被災者の声~

ブログ「福島の現実―福岡百子の声」より、ご本人の承諾を直接得て抜粋したものを掲載しています。インターネットに接続できない方から「こういった情報をもっと知らせてほしい。」との声が寄せられています。
ここに載せ切れなかった、被災した方の切実な声が伝えられています。ご一読ください。

【中間貯蔵施設建設予定地の土地買い取り価格】
被災者からの情報によると、中間貯蔵施設建設予定地(双葉町、大熊町)の土地の買い取り価格(1㎡あたりの地価)は以下のようになっています(「福島民報」掲載)。

・町道沿い宅地 
 農家集落 双葉、大熊¥4,050
 工業団地 双葉¥3,300、大熊は北側が¥2,950、他は¥3,150
 住宅地 双葉¥5,950、大熊は¥5,250と¥6,200
 内陸部 大熊¥2,800と¥3,350

・農地
 田、北 双葉、大熊¥1,200
 田、南 双葉¥1,150、大熊¥1,200
 畑 双葉、大熊¥1,150

・山林  双葉、大熊¥520

皆様、驚きではありませんか? 通常、土地価格はもっと高価なものです。どうして被災地はそんなに安価にするのでしょう? それでは被災者は再建をできるはずはないでしょうと思いますが、いかがなものでしょうか? 

ご参考にいくつかの土地価格(公示地価)を紹介させていただきます(2014年1㎡あたりの地価。

「土地代データ」http//www.tochidai.info)。
・群馬県平均 ¥44,853 宅地¥34,119 商業地¥61,044
・千葉県松戸市平均 ¥173,959 宅地¥133,048 商業地¥335,826
・埼玉県平均 ¥137,732 宅地¥113,957 商業地¥271,312
・岡山県平均 ¥52,385 宅地¥36,834 商業地¥96,963
・秋田県平均 ¥27,084 宅地¥17,716 商業地¥32,032
・新潟県平均 ¥47,171 宅地¥31,902 商業地¥77,152
・福島県平均 ¥29,970 宅地¥25,219 商業地¥50,017
(郡山市¥53,194、福島市¥45,920、いわき¥35,601、会津¥35,330、南相馬¥25,540、
二本松¥22,224、三春¥21,723、田村市¥12,457)

福島の現実-福岡百子の声 momfukuoka.exblog.jp

2014年11月11日チラシ③

~何が起きているのか・沖縄との対話~

福島応援OnSongで毎回歌を歌いに来てくださった島袋さんは現在、郷里である沖縄に帰り介護の仕事を始めようとしています。しかし、沖縄県は今、高江のヘリパット建設や辺野古への基地増設が国によって押し切られ、県民は賛成派と反対派、保革入り乱れて分断されています。11月16日に沖縄県知事選挙が行われますが、その行く先はどちらにしても険しい未来への道です。そのような状況下で福島応援OnSongの佐々木さんとメールのやり取りがありました。一部掲載します。


転送して頂いたメール拝見致しました。選挙は予断を許さない状況だと思いますが頑張らねばと思います。九州原発再稼動の動きもしかり、やるせなく悲しくワジーワジー(怒りの感情表現のウチナー語)する事多く、出来る事は少し。佐々木さんのエネルギーに生きる姿勢に若輩の私が言える事ではありませんが感動です。東京から離れてみて、如何に沖縄が不条理な生活を強いられてきたか目の当たりにする毎日です。折れそうになると佐々木さんの本を読みます。素敵な言葉ありがとうございました。寒さに向かい外での活動厳しくなりますがお体ご自愛下さいまして私たちに力を与え続けて下さい。暖かい沖縄より 島袋



本当にその通りですね。悲しいですね。基地賛成派は儲けようとするものと止むに止まれぬ食う為に、反対派は自然と命を守るたたかい。そこがむずかしいです。スコットランドのひとたちがよく言っていた「心は独立賛成、頭は反対」に似ています。私たちも頑張ります。引き続きよろしくお願いします。
わしらはもはや欺されぬ
老いた固きてのひらは
野良の仕事の傷の跡
一坪たりとも渡すまい
ここがたまらなく好きです。
 佐々木公一


基地と核(原子力)。どこか似通った仕組みが見え隠れしています。これは福島県や沖縄県だけの問題でしょうか。彼ら県民だけの問題でしょうか。彼らに押し付けられているものは一体何なのでしょうか。知る事、考える事、そして動く事が今求められています。昨年12月6日に強行採決された特定秘密保護法は、来月施行されます。

2014年11月11日チラシ②

~福島を考える事は日本の未来を考えること~

福島応援OnSongで10月27日(月)に伊東達也さん(原発問題住民運動全国連絡センター)をお招きして勉強会を開催しました。前日の10月26日(日)は福島県知事選挙があり、現職の佐藤雄平知事の後継者が当選を果たしています。その中で福島県の問題は何か、そしてどのような未来を描いてゆくのか。勉強会での資料を要約してみました

被害があまりにも深刻で、きわめて広範囲にわたり、その被害額が極めて大きく地域の復旧・復興に途方もない長い時間がかかることがはっきりしている「日本史上最大にして最悪の公害」としての原発事故は3年8ヶ月たった今も福島県民に苦悩をもたらし続けている。人の住んでいない強制避難区域の面積は1000平方キロ(参考値:東京都の面積は2187平方キロ)となり、これは国土の喪失を意味する。苛烈な避難生活が続き、「震災関連死」は増え続けており、今も命が奪われ続けている(この講演があった10月27日の時点で「1787人になりました。震災や津波でなくなった方は1603人です。毎日増え続けています」と伊東さんは話されました)。

福島県は全産業に損失を被っており、とりわけ漁業、農業、林業、観光の操業は深刻な状況である。そして教育、医療、福祉などあらゆる分野に被害が及び、教育問題で言えば、子どもは学校を奪われ、先生からも切り離され、家族・友人からも引き離されたままである。そのような中で避難先から帰れない人が激増している。

そして、強制避難区域以外の大部分の地域でも依然として自然放射線量を越える人工放射線量にさらされており、多くの住民が不安やストレスの中で暮らさざるを得ない。加えて地域社会が「原発からの距離」で分断され、「放射線量」で分断され、「賠償」で分断され、津波被災と原発被災との対応の違いなど県民の中に対立が持ち込まれている。さらにこの大事故の責任を誰も取らない事への怒り、不満が沈殿している。本来、みんなが力を合わせて困難を乗り越え、東電や政府などに解決を求めるのが当たり前なのに、被害者同士が対立し、不満・不安・怒りからくる鬱憤が同じ被害者に向けられている。

にもかかわらず甚大な損害に対する賠償について東電と政府はあくまでも狭く小さくしようと総力を挙げており、県民の怒りは大きい。強制避難者への賠償の基本的な問題点はそれまでの生活を丸ごと奪われた被害実態に目をやらず、生活再建にほど遠いものとなっている事にある。また、強制避難地区以外の地域に住む人々への基本的な問題点は低線量被曝の健康に対する不安などを全く聴かず、わずかばかりの一時金額を通知して終わりにしようとしている所にある。政府と東電がこうした問題点にまともに応えようとしない。そのため福島地裁をはじめ18地裁・支部で20の集団による裁判に立ち上がっている。

福島県は事故から4年目を迎えている。課題は数え切れないほどあるが5点に絞る。

①    事故収束と廃炉などの見通しの確立
②    放射線による低線量被曝の健康診断、検査、医療の継続的な保障
③    いわれなき偏見による差別を広げないための学校教育、社会教育の促進
④    原発労働者の賃金・労働条件・健康管理の改善
⑤    県内全10基の廃炉は福島県再建の大前提である

山積する課題と苛烈な現実が報告されましたが伊東さんは「福島から原発をなくし、自然再生エネルギー先進県にすることは、福島の地に将来に向けた新しい日本社会への『道しるべ』を打ち立てる事になる。」と将来へのビジョンを語ってくださいました。希望を語ってくださったこと。それが何より印象的でした

2014年11月11日チラシ①

~札幌からのたより~

原子力発電所事故による核汚染から身を守るため、多くの人々が避難をしています。しかし、避難者といっても「強制的に避難」と「自主的に避難」でその扱われ方が違います。また避難先が福島県内か、県外かでも違います。先日、福島県外の大学へ進学した避難者に対し東京電力が賠償金の返還請求をしたことがニュースとなりました。「避難者」はあの事故が無ければ故郷を追われる事はありませんでした。そして、あの事故を誰が起こしたのか。避難者にしわ寄せが行き、それどころか違いを設けられて分断されている現状を私たちは知る必要があります。富岡町から札幌へ避難された宍戸さん(昨年の報告会でもお話を伺いました。ありがとうございます)からの便りです。
 

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から、3年8か月が過ぎました。福島のほとんどの場所は、もう震災の影響を観ることはできません。人間は、どんなにひどい災害からでも立ち上がる力を持っています。

しかしながら、人の行きかう駅の前、公園などには震災前には存在しなかったモニタリングポストが、その場所の放射線量を提示し続けています。地方ニュースの中でその日の放射線量を発表もしています。今も立ち入り禁止の場所、人が住んではいけない場所が設定されていて、避難生活を強いられている人たちが存在します。高放射線量の中、被曝の心配をしながらたくさんの人たちが原発事故の収束のために働いています。

まだ、原発事故は終わっていません。そして福島だけの問題でもありません。

東京都内で今年も除染が行われている場所があることを知っていますか?

福島を守れ、福島を忘れない…。本当にそれでいいのでしょうか?

あなたが手に取ったその野菜は安全ですか?

子どもたちが遊ぶ公園は安全ですか?

福島を見つめることは、自分自身の生活を見つめなおすことです。

どうか、この原発事故をご自身のこととして考えてください。

私は福島を離れ、いま北海道で生活しています。

事故当時、私が住んでいた場所には、今もたくさんの人が皆さんと同じように普通の生活をしています。私が生まれ育った町は、今も避難指示がでたままです。

当たり前の生活が失われるということはどういうことかを皆さんと一緒に考えていきたいのです。(福島から札幌へ避難。宍戸 隆子)