福島応援

福島応援
みんなで集まってにっこりわらって

2015年12月11日金曜日

2015年12月11日街頭活動チラシ②





~楢葉町に行ってきました~


2015年11月26日(木)福島応援OnSong有志で福島県双葉郡楢葉町に行ってきました。現地の様子を報告します。今回は、いわき市四倉細谷にある楢葉町仮設住宅から広野町にあるJビレッジ、楢葉町の中心地を抜けて天神岬公園から津波被害のあった地区を一望するコースをとりました。

 
仮設住宅から車で30分ほど。
いわき市から広野町を抜け、楢葉町と広野町にまたがるJ-ヴィレッジに案内されました。
J-ヴィレッジは東京電力が建てたサッカーのトレーニング施設でしたが、事故後は除染作業や廃炉作業に携わる人々の中継基地となっています。
クラブハウスは作業員宿舎や事務所に、グラウンドは鉄板が敷かれ車両やテントが置かれて資材置き場になっていました。
「このサッカー場で練習した選手は沢山いたし、なでしこジャパンのキーパーだってここから出た。でも今はこんな感じですよ。復興にいたっていない。でも、2018年には元に戻すって言ってるんですね。オリンピックにあわせてね。ここを練習場として使うんだそうです。」
 
高台に位置するJ-ヴィレッジから海岸に向けて急な坂を下りたところが、楢葉町で津波被害を受けた区域です。
ここにあった集落は全て流されましたが、幸い死傷者は出なかったとの事。
現在は除染で出た土や瓦礫の仮置き場になっていました。福島応援OnSongメンバーが「あれを目の当たりにしたら元気がなくなった・・・」とこぼすほどの圧倒的な量です。
「国は今年で終わり、と言っていたが何年かかるかわからない。あれを一日も早く撤去してもらいたい。目のつかないところにやって欲しい」と同行してくれたNさんが話してくださいました。

天神岬スポーツ公園よりJ-ヴィレッジを望みます(左は広野火力発電所)。写真右の白く囲まれているところが先ほど見た仮置き場です。
これでも一部の区域の担当分で、町内のいたるところに仮置き場がありました。
「瓦礫や土を入れるフレコンバッグに入れて置いておくんだ。一袋に1トン入るから“トン袋”ていうけどね。汚染された土を入れるのは指定されたものが使われるけど、どちらにしても2,3年しかもたない。期限が来たらあそこの置き場にある中身全部を入れ替える。それだって大きな手間になるし時間もかかる。」

楢葉町は9月5日に予定通りの避難区域解除が出されましたが、現時点で戻る人々は少ないとのことで、市街地も再建している家はあるものの人影はありませんでした。
半壊の家屋については取り壊す必要があり、数百軒が対象となるためなかなか進まないそうです。
個人の敷地は手が入らないため除染も進まず、放射線量の高いホットスポットになってしまうこともあります。細谷の仮設住宅では避難解除後に町へ戻ったのは数人程度とのことです。

  国道6号線沿線には旅館が点在していますが、作業員の宿舎として客はそれなりに入っている様子でした。
また、私たちが訪れた天神岬スポーツ公園内のキャンプ場にも作業員のプレハブ宿舎が建てられ1000人近く住んでいるとのことです。
広野町周辺の国道6号線は交通集中による渋滞が起きていて、住民以外の人間が数多く出入りする状況になっていることが伺えます。
また、楢葉町の避難解除を受けて、それまで受けることの出来ていた危険手当が無くなる作業員は、さらに危険な富岡町へ移っていくとのこともあるということです。

楢葉町周辺を案内していただいた後、仮設住宅の方と懇談する機会を得ました。5月に一度お会いした方もいらっしゃったので和やかなうちに話が始まりました。

「一部ではあるが見て欲しかった。見た通り、あんな通りです。地震災害だけだったらまだ良かった。やっぱり放射能がね、問題なんです。『復興』には至っていない。企業の人や作業員は多くいるが地元の人はいない。でも国は早く帰れといって避難指示を解除した。そこへ帰れるかということです。」仮設住宅自治会長のNさんが話されます。

「見てきたとおり、除染作業に人や金も多くかかっている。袋を売る業者なんか大儲けでしょう。宿泊施設も繁盛はしている。儲かっているところは確かにある。ゼネコンなんかすごいよ。でも、国は被災地に金がつぎ込まれていることだけをアピールして、テレビなんかも『良いこと』しか映さない。あすこで働いている作業員だって日当15,000円ということになっているけど、手取りは8,000円から10,000円くらいだ。私たちの不安や批判こそ伝えて欲しいのに、テレビの取材でちゃんと言っているんだけど編集されてしまう。ニュースとして流れるのはほんのわずかだ。そうこう言っている うちに風化してしまう。『いつまで復興なんて騒いでいるんだ』となってしまっている。国は今、オリンピックで頭が一杯だ。もっとやることが多くある。なのにそれ以上に無駄遣いが多すぎる。」

そして「核廃棄物の最終処分をどこでやるか、誰がやるかが問題になっている。福島県内になるのだろうけれど、これは『支援してもらったのだから引き受けろ』ということではないか。事故を起こしたのは誰か?被害を受けたのは誰か?なのに『責任は地元にある』という。おかしいし、そういう理屈になる事は寂しいと思う。これはやはり国が責任を持つべきことではないか。汚染された土地を国が全て買い取って、住んでいた人間を移住させたほうがどれほど良かったかと思う」。

しかし、良いニュースもあります。「これは伝えて欲しいんですが、今世界で一番安全なのは福島の食品ですよ。全て検査している。心配だった水も、世界一の機械でろ過して飲めるようになった。ALPSと同じものを使っているんです。これは自慢できますよ。危険だ、不安だと何も知らないで言うより、知ることや知らせることが大事だと思います。でも、みんな知ろうとしない。担当者が悪いのか、方法が悪いのか」


国民の目から 核事故を隠し、核汚染に触れないようにして、避難せざるを得なかった人々を見捨てて、全てを無かったことにすることで得るものは何なのか。また同じことが繰り返されたとき何をするつもりなのか。この事故に学び、二度と起こさないようにして、この苦しみを乗り越えて行ってこそ未来はあるはずです。現地ではそのために、必死に事故と向き合って、放射能被害を克服すべく動いています。決してオリンピックのためではありません。東京電力福島第一原子力発電所は、東京で使う電気を作っていました。東京に住む人々は決して無関係ではいられません。大切なのは知ること、そして知らせることです。今回の訪問であらためて、そのことを実感しました。そして来ないと判らないこと、実際に行くことの大切さを痛感します。また行きます。皆さんもご一緒しませんか。



2015年12月11日街頭活動チラシ①



2015年も12月を迎えました。おそらくは歴史の教科書に載るであろう激動の年であったと思います(余談ですが、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」は2015年が舞台だそうです)。
国際的に緊張が高まり、民主主義は大きく退潮し、平和より戦争が叫ばれ始めています。
国内においても大企業が史上最高益を上げながらも景気は落ち込み、貧困が拡大しています。
東京オリンピックに向けて何とかしようとしても、常にボロが出る始末。
震災と核事故から4年9ヶ月が経ち、福島の被災地は5度目の冬を迎えます。
元の暮らしに戻れない多くの人がいます。
みんなが希望を見出すために、新しい春を迎えるために何が出来るのでしょうか。

2015年11月11日水曜日

2015年11月11日街頭活動チラシ③



近年、インターネットの発達により個人がメディアとして発信ができるようになりました。
その中に、多くの中傷や偏見が渦巻いているのは周知の事実です。
その環境の中で社会活動に対する批判や過度な意見も、ところかまわず噴出しています。
弱者に対する悪意、バッシングは娯楽の一環として行われているのではないかとすら思います。
「悪ければやめればいい」「謝れば済む」程度の軽い気持ちが、人の心を傷つけ、さらには利用されて大きな力を持ってしまう。
これを利用する者の罪も大きいのですが、気付かずにやっていて結果人を傷つけてしまうことも罪です(虐待やいじめと同じ構造です)。
罪は償わなければならないし、再び犯さないようにするのが社会のあり方ではないでしょうか。そ
のためにも、知ること、学ぶ事はとても大切なことですし、そこに力を注ぎたいと考えます。(編)