福島応援

福島応援
みんなで集まってにっこりわらって

2016年5月11日水曜日

2016年5月11日街頭活動チラシ②

~ある日から、80倍~

今年の4月28日、環境省は放射能汚染された指定廃棄物(汚泥、焼却灰、麦わら、堆肥など)の基準値を1キロ当たり8000ベクレルに定めました。

それまではキロ当たり100ベクレル以下だったものですから、基準値は80倍に緩和されたことになります。
指定廃棄物はその危険性から国が保管を義務付けて勝手には動かせないものですが、これにより「安全」と判断され、他所に動かし処分することが可能になります。

これまでも、震災で出たガレキなど放射性廃棄物は1キロ当たり8000ベクレル以下であれば、普通の廃棄物と同じ処分方法が取られています。
そして、今後は放射能汚染された土でも、キロ当たり8000ベクレルを下回っていれば公共事業に使えるとのこと。

「キロ当たり」という事は猛烈に汚染された廃棄物でも、他の物で薄めて基準値以下になれば良いということでもあります。

福島県楢葉町を訪れたとき、うずたかく積まれた無数のフレコンパック(家屋の解体や除染で出た放射性廃棄物が入っている)に圧倒されました。
「あれをどうするのか。私たちの見えないところへやって欲しい」との痛切な訴えを聞きました。

そして、国から出た答えがこれです。

ある日から、基準が80倍に緩和され、モノが動き出す。
 キロ当たり8000ベクレル以下の廃棄物は、処理に当たってその費用は国から出されるとのことです。
“通常の廃棄物処理”ということならば日本全国どこでやっても良いわけで、その上で国が費用負担をしてくれるのならば、処理に関わる事業者には大きなビジネスチャンスかもしれません。

2020年にオリンピックが開催され、それまでに除染や廃棄物の問題をどうにかすると国は言っています。

そして、そのための方策が環境省から出されたキロ当たり8000ベクレル基準だといえます。

廃棄物は薄められて全国で処理され、確かに被災地から廃棄物は無くなるかもしれません。
しかし、何か大切なものが抜けています。

安全性です。

ある日を境に基準を80倍まで緩和するこの姿勢は安全をおざなりにしていないか。
もちろん、廃棄物の処理には向き合わなければなりません。

2016年5月11日街頭活動チラシ①

~H28熊本地震~

2016年4月14日木曜日の深夜に熊本県益城町直下で起きた震度7の地震は、前触れでしかありませんでした。

その後さらに大きな地震が起き、多くの人が命を落としました。

地震は続き、3週間が経とうとする現在でも熊本、大分で震度4を記録する地震が起きています。
地震がいつ収束するのかわからないまま、現地の生活は再スタートを切り始めましたが、復興をスタートさせられないまま時間が過ぎています。

幸い津波はありませんでしたが、揺れ続ける大地の上、熊本、大分の人々は不安におののきながら暮らしています。

福島応援OnSongは難病ALS患者である佐々木公一さんの呼びかけからスタートしました。

ここでの募金は今まで、福島の難病患者への応援としてお見舞いや交流にも使われています。

今回は熊本の地震に苦しむ難病の方への応援のための募金も行っています。
被害の規模でも数でもなく、地震により苦しい立場に居る人々に対して心を寄せ、声をかけ、応援してゆくことが、わたしたちに出来ることだと思います。

「福島」応援OnSongではありますが、この応援は苦しむ全ての人々に届けてゆきたい。

福島応援OnSongのきっかけは東日本大震災と東京電力福島原子力発電所の事故ですが、この活動を続けてゆくことで、地震が起こるという事はどういうことか、震災に遭うとはどういうことか、復興とはどういうことか、私たちは知ることが出来ました。

そして知ることの大切さとそれを伝えることの重要性を感じます。

改めて、「福島を考える事は日本の未来を考えること」であると思います。
日本列島は自然災害の多い地域であり、そこに私たちは暮らしている。

自然の前に人間の存在はあまりにちっぽけなものです。
それでも、私たちは暮らしてきたし、これからも暮らしてゆかなければならない。

ならば、それを前提とした安全の確保をしてゆかなければならないのではないでしょうか。

しかし、福島に私たちは何を学んだのか。

熊本に何を学ぶのか。

今回の熊本の地震は大きな地震が連続して起きています。
今までにない「想定外(どこかで聞いた言葉ですね)」の事態です。

「地震だ、火を消せ」といいます。
ならば、なぜ原子力発電所は停めないのか。