福島応援

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2012年2月13日月曜日

福島からの報告 2・11


2・11当日のチラシに掲載/アピールに使われたものを掲載します
前回と同じく中手聖一さんからのものですが、移住も含め、暮らしを再建するために何が必要なのか改めて話してゆかねばならない現実があることを再確認させられます。
「冷温停止状態」などという政治家の言葉の何とむなしく響くことか。


~福島からの報告 2・11~


脱原発、それは二度と原発事故を起こさない社会を創ること。
―福島人の移住が静かに始まっています―
昨年の秋から、気味の悪い静けさが福島を被っています。いま福島はとても重苦しい空気です。安全宣伝キャンペーンは、藁にもすがりたい人々の意識に刷り込まれ、「避難」の言葉は聞かれなくなりました。まるでタブーであるかのように…。
その一方で、福島のヘルパー不足は深刻さを増しています。募集をしても、まったくといっていいほど応募がありません。福島市内の半数の介護事業所がそのような状態です。そして、一人また一人と退職者が増えています。特に3月末で県外へ引越しする人が多く出ています。
いま福島では、静かに"移住"が始まっています。その動きを、引越し業者は知っていました。「3月末の予約は、夏休みの後から出始めました。1月頃から増え始めて、現在では、いつもの年の4倍になっています。夏休みの引越しは、母親と子どもだけが多かったのですが、今はお父さんも一緒に一家で移動しています。」

 私事のご報告をすることをお許しください。私もこの春、北海道札幌市に移住することを決めました。昨年3月末から、岡山に母子疎開をしている妻と話し合い、苦渋の末の結論です。私を育てくれた福島、たくさんのことを教えてくれた仲間たち、すべてを置いて福島を離れることは、言葉にできないほどの悲しみです。けれども、被曝者として生きる定めを負った、私たち"福島人"の、未来の希望を創り出せるのは子どもたちです。自ら誇りを持って福島人と名乗れる人に我が子を育てること、それが私たち夫婦の役目だと話し合いました。迷いの中からようやく抜け出し、移住を決断しました。

"脱原発"、それは私たち福島人にとってエネルギー問題などではありません。二度と原発事故を起こさない社会にすることです。すべての原発を今すぐ永久停止にしなければなりません。私たちが体験した、そして今も続いている、恐怖と苦悩、悲しみと嘆き。こんな愚かなことを繰り返さない社会を子供たちに引き渡すこと。それが脱原発です。
もう何十年分もの涙を流しきった私たちに、原発について改めて考えることなど何もありません。すべての原発を止めることは、子どもたちを守ること、家族を守ること、仲間を守ること、故郷を守ること、そしてもう一度すべてを、当たり前の姿に作り直すスタートです。中手聖一

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